「鍼で痩せますか?」とはよく聞かれることです…でも、本当にそんな経穴(ツボ)があったら大変なことになりますよ。誰しもがケンシロウ張りの秘孔を手にしてしまいます。
食べても食べても栄養にもならず消耗してしまう、または食欲をなくしてしまうなら、それはカラダに異常な状態をつくる、恐ろしい死のツボです。
永遠のテーマである「やせたいけど(好きなだけ)食べたい」矛盾をかなえる魔法のツボは、残念ながら、ないのです。
食欲というのは動物の生存本能であり、なくてはならないものですが、ヒトはおかしな事になっています。
自然界の動物はある程度満たされたらお腹が空くまで食べません。たとえば唐突ですが、野生のワニが捕食するのは1〜2ヶ月に1回、飼育されている場合でもエサを与えるのは週1回だそうです。
では、ヒトの必要以上に食べたい「もっともっと」はどこからくるのでしょうか?
・太古から刻まれた飢餓の記憶…
・自分以外の生命を宿している(胎児、寄生虫)…
・カロリーはとっていても必要な栄養素がしっかりとれていない…
・満腹中枢が壊れている…
・食べることでストレスをまぎらわす(エモーショナルイーティング)…
難しいのは「カラダの飢え」でなく「心の飢え」のために食べる、エモーショナルイーティング。それを引き起こす誘因として真っ先に取り上げられるのは、やはりストレスとのこと。コルチゾール(ストレスホルモン)の血中濃度が上がりすぎると、塩分の高い食べ物、甘い物、揚げ物、加工食品などが欲しくなるそうです。依存にならない形で解消するスベが見つけられたらいいですね。
健康な状態でやせたいのなら、やはりシンプルに代謝をうながすことです。きちんと栄養を摂る・血流をよくする・運動する・体温を上げる、摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回らないことに尽きます。
また、代謝を阻むものとしてカラダの滞り(コリ)があります。食べても回復のエネルギーとして上手く使うことができず、行き場を失うと、代わりに脂肪として蓄積させます。すると、そこにカスタマイズされた巨大冷えピタが形成され、冷えた状態も続き悪循環となります。
正常な新陳代謝がされなくなっている状態ならば、太るとか以前に改善するほうが賢い選択^^。